人生100年とも言われている時代では人々の働き方も大きく変わっていくことが予想され、多くの人にとって転職も当たり前になってきています。
終身雇用制度が崩壊し自分自身のキャリアは自分でなんとかしないので、時には転職しないといけない場面が出てくることでしょう。
とはいえ、今の会社に不満がなく転職する予定がない人や20代30代など若い世代でまだ転職を経験したことがない人にとっては、転職活動はなじみが薄いかもしれません。
しかし、実は転職するつもりがない人でも転職活動をすることにはメリットがたくさんあるのです。
もちろん全ての人が転職すべきとまではいかないでしょう。
一方で「あのときにちゃんと転職活動していれば、、、」と後悔してしまってからでは遅いのです。
そこで本記事では転職をしなくても転職活動すべき理由について3つの観点から説明していきます。
この記事を書いている私自身、もともとは新卒で公務員として3年働いていました。
しかし将来のキャリアについて考えるうちに民間企業への転職を考えるようになり、現在は事業会社でWebマーケターとして働いています。
この記事を読むとわかること
- 転職しなくても転職活動をすると良い理由がわかる
- 転職活動をすることのメリットがわかる
- 転職活動をしないことのデメリットについてわかる
☑️ この記事を書いている人
転職活動した方がオトクな3つの理由
転職をする、しないはその人の自由なので強制はできないですが、基本的なスタンスとしては人生のうちに何度かの転職活動を経験することをおすすめします。
理由はいたってシンプルで、メリットが多いからです。
しいてデメリットがあるとすれば毎日の趣味の時間が少し減るくらいでしょうか。しかし長い目で見れば気にならない程度の時間といえます。それで人生が好転するなら安い投資です。
転職活動をした方がオトクな理由は以下の3つです。
転職活動は職を変えることだけが目的ではなく、多くの場合
転職をすることによって自分の抱える課題を解決したり、自分自身の理想の生き方に近づくことを実現するために行います。たとえば
自分の得意な分野の仕事に携わりたい
職場の人間関係が合わなくて消耗しているので転職したい
スキルアップして理想の自分に近づきたい
給料を今より上げたい
子どもが生まれたので働く時間や場所に融通を効かせたい
熱い仲間と一緒に仕事で成果を出していきたい etc...
そのため転職活動は職業、仕事内容、待遇だけでなく生活、家族、人間関係、人生、目標、生きがいなどあらゆることを考えて未来をよりよくしていくための思考整理をする良いきっかけとなるのです。
以下ではさらに転職活動を行うとオトクな3つの理由それぞれについてより具体的に解説していきます。
自己分析を通して定期的なキャリアの見直しができる
ここでいうキャリアとは、ざっくりいうとこれまでの仕事で経験してきたことや得たスキル、身につけた職業能力などのことと考えてください。
転職活動では、自己分析を通したキャリアの見直しが不可欠となります。
なぜなら転職活動では即戦力が求められるため、その人がこれまでどんな仕事を経験してきて
どんな能力を身につけているか、そしてそれらをこの会社でどう成果に結び付けてくれるのかを評価されるからです。
自分自身のキャリアについてしっかり理解していないと何をアピールポイントにすればいいか分からず、応募すべき求人も曖昧になってしまいます。
キャリアについて考える際は次のような問いを立てると良いです。
自分はこれまでの仕事でどんなスキルや経験を得てきたか
仕事の中でどんな成果を出し、成果を出すためにどんな工夫をしてきたか
これまでの仕事で得た知識やスキル、経験は他の会社でも通用するのか
今後どんなキャリアを描いていけそうか、描いていきたいか たとえば10年後はどうか
今後どんなキャリアを進んでいけば満足(充実)できそうか
そして転職の先にあるどうすれば人生をよくできるかを知るには自分自身についての理解が不可欠なのです。
たとえば次のような問いがあります。
自分は仕事に対してどんな価値観や考えを持っているか
これまでの人生の中でどんな感情を抱き、どんな選択をしてきたか
人間関係の悩みや仕事の悩みなどどんなものがあったか
得意なことや苦手なことは何か
好きなこと嫌いなことは何か
どこでどんな風に誰と過ごしたいか
自分の人生が素晴らしいものと思えるには何が必要か
座右の銘は何か
普段からこういった自分の人生やキャリアについて深く立ち止まって考える機会というのはなかなかないですよね。毎日なんとなく過ごしていることが多くなってしまうと思います。
特にキャリアについて意図的に考える機会を設けることはメリットが大きいのですが、それはキャリアの方向性を見失わないで済むからです。
もし自分の向いている方角が理想と真逆であれば目的地まで遠回りしてしまうか最悪の場合目的地までたどり着けないなんてこともあるでしょう。
さらに自分が持つ価値観や置かれている状況は時間とともに変わっていくのが当然で、過去と同じであることは少ないです。過去に選択肢した目的地を一度も振り返らずに突き進むというのは危険です。
自分が思っている以上に自分の価値観や考えなどは変化するものです。
人間は過去の選択に引きづられたり周りの人と比べてどうかと比較をしてしまうものですが、定期的に自分のキャリア(大きくは人生)を見直すことでそういった悪い状態や状況になっていないかをチェックできるのです。
今の自分の価値観はどうか、過去の選択に縛られていないかを見直すことができるのです。
市場でどんな人材が求められているのかなどの動向をつかめる
ここでのポイントは3つです。
ポイント
採用側企業が欲している人材と必要なスキルや経験がわかる
将来のキャリア形成の方向性を見出せる
キャリアの失敗リスクを減らせる
採用側企業が欲している人材と必要なスキルや経験がわかる
転職活動では自分の希望だけでなく、採用側の企業がどのような人材を欲しているかを知る必要があります。
あくまでも労働市場の需要と供給がマッチしないと転職はできないのでこれは当然といえますね。
企業:「こんな経験やスキルを持った人材が欲しい」
転職希望者:「自分の経験やスキルを活かせる企業にいきたい」
そうであれば実際の求人を調べていくのはもちろん、その中身としてたとえば募集の背景や必要とされている経験やスキルなど、
あらゆる項目を細かくみていくことになるでしょう。今はインターネットが普及してあらゆる情報にアクセスできますので十分な情報収集が可能です。
特にSNSなどを使えばより詳細に内部事情を知れたり、経営者や役員の方の考えや価値観を知れたりできるので良い時代です。(情報の精度の問題はありますが)
そのためある程度本気でやれば、どのような経験やスキルがあれば希望のポジションやポストに採用されるかが明確になっていくのです。
将来のキャリア形成の方向性を見出せる
市場の動向を知ることで将来のキャリア形成の方向性が見えてきます。
つまり、どんなキャリアを作っていけば自分のキャリアにとって良いかの方角がわかるということです。
私自身が新卒社会人の時を思い出しても、理想のキャリアなんてものは全く見出せずにいました。
それは市場の動向を少しも気に留めていなかったからともいえます。
なかなか自分の理想のキャリア像や理想の職業人としての生き方が見つからなかった人にとっては、
市場の動向を知ることが目指すべき方向性の参考になるでしょう。
市場で求められている人材というのは 需要が高く供給が少ないほど重宝され、給与などの待遇も保証されやすく、
かつ専門性が高ければその分参入障壁(他のライバル)が高いため、
目指すべきキャリアとしては概ね正解といえるからです。
転職市場で求められている人材の特徴や必要な経験やスキルが分かれば、
逆算して自分に足りないものをプラスしていったり、不要な努力を削ぎ落とす(無意味な資格を取らないなど)必要性が見えてきます。
また重要なこととして、目指すべきではないキャリアも知ることができます。
すなわち早い段階でキャリアの舵を切って方向転換することができるのです。
人生の時間には限りがあるのでこれは非常に大切な考え方です。
キャリアの失敗リスクを減らせる
キャリアの失敗リスクとは「キャリアの迷子状態やキャリアの後悔」のことです。
キャリアの後悔
「今まで頑張って仕事をしてきたけどなんだかやりたかったこととは違う」
「将来のキャリアについて十分に見直さなかったことでなりたい自分になれそうにない」
「10年後の自分はこんなはずじゃなかったのに、、」 etc...
こういった後悔は誰しもしたくないですよね。そのためキャリアの見直しを定期的に行うことの重要性が増すのです。
もし自分のこれまでのキャリアを振り返って、将来に不安を感じたり市場での需要が右肩下がりになっていることがわかれば思い切ってキャリアチェンジをすることも選択肢に出てくるでしょう。
その際はこれまでの経験をゼロに切り捨てるのではなく上手に活かして専門性などと絡めて独自性を出すことができれば、セルフマーケティングの観点からも市場価値の高い人材になることができます。
※セルフマーケティングの重要性については別記事で解説予定です。
そして、市場で求められている需要の高い人材が自分のキャリアの先、もしくは別のキャリアにあると具体的に距離感などが明確になれば、次にやることが見えてきます。
キャリアの方向性が見えたらやること
- 現在のキャリアと理想のキャリアとの差に注目
- 差を埋めるために必要なことを情報収集
- 仕事やプライベートの中ですぐに行動
市場の動向を知り、自分の理想のキャリア像がより明確になったら現在のキャリアと理想のキャリアとの差に注目していきます。
現在のキャリアと理想のキャリアとの間に差があればその差を埋めるための努力や行動が必要だとわかります。
ここまででしっかりキャリアの見直し(自己分析)と市場で求められる人材についての理解ができていれば、
あとは何をすればその差を埋めることができるかの情報を収集し、具体的アクションとして取り組んでいく段階になります。
経験が不足していれば普段の仕事で意識的に経験を積めるよう機会を伺ったり取り組んでみることが良いでしょう。
もし社内では得られない経験であれば積極的に外部に出ていき、副業などの形で経験を積んでいくことも検討していくべきですね。
知識であればこのご時世無料でも習得できることが多いのでインターネットやYouTubeなどの動画コンテンツも積極的に活用していきましょう。
もちろん10年後20年後の未来を予測することは不可能なので100%確実なキャリアになるかは分かりませんが、
少なくともキャリアの失敗リスクを軽減できることは間違いないといえます。
このように市場の動向を掴むことで今後進むべきではないキャリアの方向性や理想のキャリアを進むための方向性を知ることができ、
そこからさらに具体的なアクションに取り組んでいけば将来のキャリア形成を上手に描くことができるのです。
現在の自分がいる状況を俯瞰してみることができる
現在の自分がいる状況とは、たとえば在職中の会社などです。
転職活動をすると他の企業について多くのことを情報収集していきますので、比較対象ができてきます。
そうなれば自分が働いている会社と他の企業との違いが見えてきます。
たとえ同じ業界であったとしても、経営方針や取り組んでいる事業の方向性がかなり違うことがあり得ます。
転職では企業の社風や待遇面などに注目が集まりますが、その点も企業によって差があるといえます。
違いになりうるもの
- 働き方が柔軟である
- 人事評価制度
- 福利厚生面などの待遇
- 利益が出れば社しっかり社員に還元している
- 挑戦しやすい社風であるか
- 経営者のミッションに共感が持てるか
- 将来性のある事業に積極的に取り組んでいるか
- IT化が進んでいて時代に追いついているか etc...
このような違いに注目して「自分のいる会社はどうなんだろうか」と自問してみてください。
もちろん組織上の細かな特徴や詳細な仕事の進め方、社内の複雑な人間関係などは実際に転職してみないとわからないことが多いですが、
転職エージェントや企業との面談の機会などである程度把握することは可能です。
どうしても会社の中にいるとその会社組織の当たり前や常識にとらわれがちです。
しかし自分のいる会社を少し遠目でみる機会を意識的につくることで、実は常識や当たり前だと思っていたことが常識や当たり前ではないことに気がつくかも知れません。
それは良い会社だと気付く場合もありますし、逆にあまり良い会社ではないなと気がつく場合もあります。
自分の人生や将来のキャリア形成を考えた上で、さらに自分の置かれている状況を俯瞰してみることができれば
次に何をすべきかが自ずと見えてくるのです。
結論:転職活動をすると断然オトクです
本記事では転職をしなくても転職活動をした方が断然オトクな理由について下記の3つの観点から説明してきました。
2つ目の「市場でどんな人材が求められるのかなどの動向がつかめる」ことについては、さらに以下の3つのポイントに分けて解説しました。
ポイント
採用側企業が欲している人材と必要なスキルや経験がわかる
将来のキャリア形成の方向性を見出せる
キャリアの失敗リスクを減らせる
転職活動をすることで時間や体力が消耗することもあるでしょう。
しかしそれ以上に自分自身の人生やキャリアに与えるプラスのメリットは大きいので、やる価値は大いにあると言えますし、
転職が当たり前の時代になってきていますのでむしろ積極的に行っていくのが良いと思います。