この記事はこのような悩みを持つ方に参考になる内容になっています。
こんな方におすすめ
- 公務員を辞めたいのは私だけなんだろうか?
- 公務員を辞めるのはもったいないの?
- 公務員を辞めたい理由にはどんなものがあるのか知りたい
☑️ この記事を書いている人
わたしは新卒で公務員になるも「このままでいいのか?」と自問し、公務員を退職することを決意。数ヶ月の転職活動の末地方の企業でWebマーケターに内定。同じように20代で自分の将来について悩んでいる人の役に立つような発信をしています。
公務員を辞めた人ってどれくらいいるの?
自分以外に公務員を辞めたいと考える人なんているの?と思われるかもしれませんが、
実は公務員を辞めたいと思っている人は珍しくありません。
総務省の公表している「令和元年度地方公務員の退職状況等調査」によると、
平成30年度中に離職した人のうち自己都合退職等の普通退職をした人の割合は33.7%と想像よりも多いことが分かります。
引用:総務省:「平成30年度地方公務員の退職状況等調査」
私自身も自己都合退職するように、公務員になった人で定年になる前に退職する人は珍しくないと言えます。これは実際に辞めた人の数字なので、辞めたいと思っている人はもっと多いと考えられます。
ポイント
公務員を辞めたいと思っている人は実は多い
公務員を辞めたい理由は5つあります
公務員を辞めたいと思う理由は5つにまとめることができます。
人間関係 仕事内容 将来性 就業環境 お金
それぞれについて解説していきます。
公務員を辞めたい理由:人間関係
アドラー心理学では「すべての悩みは対人関係の悩み」
と言い切るぐらい人間にとって他者の存在というものは非常に大きな存在です。
これは自分自身の価値観や感情にも大きく影響を与えるものです。
公務員にとっての人間関係には
職場の人間関係 と お客さん(国民や市民など)との関係 の2つがあります。
公務員の組織は独特なものであり、その分人間関係に悩む人はとても多いです。よくある悩みとしては次のようなものが挙げられます。
職場の人間関係
閉鎖的な空間で息苦しい
上司や同僚がサイコパス
仕事ができない上司に疲れる
飲み会が頻繁にあるがどれもつまらない
非常勤職員との間の溝が深い etc...
外部とのつながりが薄いため、組織内や職場内でのつながりが求められやすく、それがギスギスした人間関係の原因にもなりやすいのです。
仲間意識が強いことは良いことでもありますが、一方で
「みんなに合わせないといけない」とストレスを抱え込んでしまうのはありがちです。
まだまだ民間に比べて退職する人は多くはないので、一度その役所に入れば異動はあれど同じような顔ぶれのメンバーと長く勤務することになります。
閉鎖的な環境で苦手な上司や同僚と長く働いていくのはなかなかのストレスになり得ますね。
公務員の人間関係に関する悩みで次に多いのがクセのあるお客さんの対応です。
執拗に無理な要求をしてくる
大声を出したり机を叩いたりする
職員の揚げ足を取ろうと必死になって食らいついてくる
同じ内容のクレームを1時間以上してくる
終始キレ気味で接してくる
公務員というだけで心ないことを言ってくる etc...
担当する部署によってはクレームを受けやすい窓口もあり、心ない罵声を浴びせてきたりあからさまに機嫌の悪い態度で接してくる方もいます。
もちろんどんな方に対しても誠実に丁寧に対応しています。
しかしやはり人間ですので大声を出されたりまともに話ができないぐらい怒っている状態で接してくればシンプルにしんどいですしメンタルが病みます。
行政歴が浅い若手ほど前線でお客さんと直接対応する機会が多い分、何度もクレーム対応を行えばスキルは身についたとしてもメンタルは想像以上に消耗するものです。
国民や市民のために!と志して公務員になっても連日のクレーム対応に追われてしまえば
「つらすぎて辞めたい。」と思ってしまう人もいるでしょう。
公務員には真面目な性格の人が比較的多いので最悪休職せざる得ないこともあり得ます。
ポイント
閉鎖的な環境で苦手な上司や同僚と長く一緒に仕事をするのはストレスになる
クレーム対応が想像以上に多くてメンタルを病む
公務員を辞めたい理由:仕事内容
不満を感じるわけ
書類の作成や書類の審査など、正解が決まっているルーティーンワークが多い
公務員の仕事は、国民や市民の生活に直結するため誤りがないように業務を行う必要があります。
そのため、どの業務においても法令などを実務的にこなすための要領というものに沿って業務を遂行します。
この要領に沿って業務を行えば、どの職員でも誤りのない公平な業務遂行が行えるようになります。
一方でこういった業務の弊害として、
創意工夫の余地が生まれにくく、やりがいを感じられない
同じ作業の繰り返しでつまらない
前に進んでいるという成長を感じられない
このように仕事がつまらないと感じさせてしまうのです。
間違いのない行政運営を徹底すれば、このようなルーティンワークになってしまうのはある意味仕方ないことだと言えます。
とはいえ、毎日正解の決まっている同じ業務を何年も続けていれば
もっとやりがいのある仕事がしてみたい と思うのは当然といえます。
さらに、
☑️ もっとガンガン挑戦したい
☑️ 創意工夫の余地のある仕事をしたい
このように考える人にとっては、仕事内容がかなりストレスの要因になってしまうのです。
基本的に仕事は前例踏襲で行っていくので、新しいことをしたいと思う人にはあまり向いていないです。
仕事内容が理由で公務員を辞めたいと考えるのも不思議ではないですね。
公務員を辞めたい理由:将来性
AIなどのテクノロジーに仕事が代替されやすい
スキルが身につかない
先ほどの仕事内容で解説しましたが、公務員の仕事は基本的にルーティンワークでいかに間違いのないように正確に事務処理が行えるかが大切です。
そのため極端な話、誰がやっても業務遂行できるように仕組み化されています。
さらに、間違いのないように正確に処理を行うことはAIや機械などが得意としているところであり、将来的に仕事が代替されていくことが確実と言えるのです。
もう一つはスキルが身につかないという不安ですが、これは結構シビアな問題といえます。
公務員は2〜3年で人事異動があるのが通常です。
地域振興に関する部署にいた人が、次の異動で税金に関する部署に配属されるなどです。
ほとんどの場合、その度に新しい業務を覚える必要があるのですが、これはいわゆるゼネラリスト的な働き方になり専門的なスキルが身につかない原因にもなっています。
それに加えてマニュアル化された業務がメインの仕事であれば、スキルを身につけるにも創意工夫の余地がそもそもなかったりするので厳しいです。
世間では終身雇用制度が崩壊したので
個人でもしっかり稼げるようにスキルを身につけていきましょう!
と、国を挙げて取り組んでいるものの、公務員は依然として副業も原則禁止です。
自分自身の人材価値を高めづらい状況に耐えかねて、ポジティブな退職を選択する若者が増えるのも不思議ではないです。
年齢が高まるにつれて転職の難易度が増してくるのは公務員だけに限った話ではありません。
しかし、公務員での業務経験は特殊であり、民間でいうとところの業務経験に含めることができずに未経験での挑戦になることが多いのでなおさらです。
ポイント
AIなどのテクノロジーに代替されやすい
専門スキルが身につきづらく転職で不利になりやすい
若いうちに転職しないと転職がハードになる
公務員を辞めたい理由:就業環境
就業環境とは、実際に働いている職場環境などのことですが、特に問題になっているのが長時間労働の問題です。
ご存知のとおり公務員の種類や部署によっては、意外と長時間労働が常態化していることが少なくありません。
定時で帰宅できる部署とそうでない部署との差が圧倒的であることがよくあります。
時間数で言えば月100時間を超えるような時間外労働をしている人も珍しくないほどです。
慢性的な人員不足に陥っているため
無能な上司や同僚がいるため
これは単純に人手不足という問題です。
公務員に限らず人手不足が起こす問題の一つに長時間労働の常態化があります。
公務員は基本的に定員が決まっており、休職者や休業者、退職者が出てもすぐに人員補充ができないという課題があります。
一人当たりの業務量がキャパオーバーであれば、時間外労働は必然的に生まれますし、最悪の場合サービス残業になっているケースも少なくありません。
もう一つの問題点は、無能な上司や同僚がいてもまずクビにならないことです。
悪質な犯罪を犯したりしない限り、公務員はクビにならず無能であっても年功序列である程度の役職につけてしまうので、配属先の上司や同僚によっては余計に仕事が増えてしまうなんてこともあり得るのです。
公務員を辞めたい理由:お金
公務員のお金(給料)事情が理由で辞めたいと考える人も少なくありません。よくある理由としては
仕事の成果が給料に反映されない
若手の給料が安い
副業禁止されているため稼げない
公務員は年功序列で役職とそれに見合うだけの給料が支払われるようになります。
しかし、これは仕事で成果を出したとしてもすぐに給料に反映されるわけではないことを意味します。
そのため
全然働かない人と一生懸命働いて成果を出した人が同じ給料なんてことも全然あります。
また入庁数年の若手であれば手取り15万円とかが普通にあり得るので、きちんと成果を出している人にとっては「割りに合わないな。」と不満を持たせる原因にもなり得ます。
公務員であることのメリット、デメリット
とはいえ公務員であることのメリットが多いことは見逃せません。ここでは公務員であることのメリットとデメリットを次のようにまとめました。
メリット
国や自治体から身分が保障されている → 基本クビにならない
福利厚生が整っている → 休みも取りやすい
年功序列で出世できる → ある程度の役職までエスカレーターで登れる
社会的な信用がある → ローンが組みやすくなる
昨今世界では新型コロナウイルスの影響で経済が大ダメージを受けており、その影響で日本経済も不況になっていることはご存知だと思います。
経済が低迷している不況状態だと企業は
大量リストラ(解雇)
希望退職の募集
倒産
契約社員、派遣切り
採用内定取り消し etc...
しかし公務員の場合は不景気でも雇用を切られることはなく、ボーナスも通常どおり支給されます。
つまり、景気に関係なく雇用が安定しているのです。(財政破綻なども基本的にはありません)
また、有給休暇やその他の休暇制度、産休育休などの制度利用が促進されています。
やはり民間と比べると福利厚生がかなり充実しているといえます。
繁忙期でなければ有給休暇を申請しても承認されて嫌な顔をされることはありません。
あとは公務員の雇用が安定していることの証拠に、ローンの審査が通りやすいこともメリットとして挙げられます。(公務員は安定しているので債権回収可能と判断されます)
先ほどの公務員を辞めたい理由のところと少し被りますが、いくつか挙げてみました。
デメリット
仕事内容が短調でやりがいを感じづらい
若手のうちは給料が低い
公務員というだけで世間からの風当たりが冷たい
ゼネラリストになるため専門スキルが身につかない
副業ができない
公務という性質上なかなか仕事で挑戦しづらい
国家公務員や都道府県庁の場合転居を伴う転勤が必ず複数回ある
これらは公務員であることのメリットの裏返しとも取れますね。
私の考えだけでなく多くの人の意見も交えて回答すると、公務員をいきなり辞めることはおすすめできません。なぜおすすめできないのかは、もちろんいくつかの理由があるからです。
公務員をいきなり退職しない方がいい理由
収入が途絶えると不安が増す
仕事を退職すれば当然翌月からの給料はなくなります。
貯金があるから大丈夫と思われる人もいるかもしれません。
確かに退職金も勤続年数にもよりますが20代のうちであれば数十万くらい出るので、貯金と合わせてある程度は生活に困ることはないかもしれません。
また、知らない方もいるかもしれませんが、公務員の方でも退職金をもらったあとに雇用保険で支給される金額との差額が給付できる場合があります(詳しくはハローワークへ)。
しかし、収入がないということは想像しているよりも精神的にかなりの不安を抱かせます。
単純に考えてみると、預金残高が毎月減っていく光景をみて何も不安を持たないはずがないですよね。
収入の見通しも立っていない状況で預金残高が減っていけば誰でも焦ります。
そのような状況では、間違いなく求職活動にも支障が出てしまいます。
数年ぐらいはお金の心配をしなくても問題ないと言い切れないのであればおすすめしません。
職種によっては就職できるまでに準備が必要な場合がある
公務員から民間への転職は、ほとんど未経験職種への就職になります。
そして、応募する未経験職種によっては事前に独学することが必須になっているケースがあります。
たとえば、Web系エンジニアやWebデザイナーなどのスキルを活かした職業になりたい場合は、事前の独学が必須になっています。
確かに退職したあとに短期集中してスキルを習得するという方法もありますが、先ほども伝えたとおりお金に対する不安は必ず付きまとってきます。
それに効率的に学ぶためには学習教材を購入したりスクールに通う必要が出てきます。つまり、時間だけでなくお金も必要になるのです。
働きながらでも十分スキルを身に着けることはできますし、働きながらであれば実際に勉強を開始してから「やっぱり別の職業の方が向いているかもしれない。」と思った時のリスク回避にもなります。
スキルの習得が必要な職種に挑戦するなら在職中に勉強することをおすすめします。
公務員を辞めたあとに後悔しても遅い
公務員を退職したあとに「やっぱり公務員に戻りたい」と考えても正直遅いのです。
その理由は
・公務員になるにはまた公務員試験を受験する必要がある
・公務員試験を受験できる年齢制限を超えてしまうとそもそも受験できない
退職理由にもよりますが、家庭の事情とかでない限り仮に出戻りが可能であったとしても精神的にきつくなるのは間違いないと思います。あとは出世も難しいでしょう。
公務員に限りませんが、退職したあとに後悔する人の特徴としては
なぜ退職しないといけないのかが明確になっていない
退職したあとのキャリアをどうするのかを明確にしていない
退職したあと具体的にどんな行動をしていくのかを考えていない
特になぜ退職しないといけないのかというのが明確になっていないと、次の就職先でも同じような不満を抱いてしまうなど、
退職したあとも不満が解消されないということで後悔をしてしまう可能性が高いのです。
就職を急ぐあまり就職先を妥協してしまいがち
退職したあと、収入も途切れるのでできれば早く就職したいのが通常の心理だと思います。
もちろん場合に病気療養などの理由によって少し期間をあけたいということもあると思いますが、その間収入がなくなるので不安は大きくなっていくでしょう。
しかし気をつけたいのが、就職するのを急ぐあまり不利な条件でも妥協して就職してしまうことです。
「早く就職したいので内定が出たらすぐに就職しよう」という風に考えてしまいがちです。
退職する理由は人それぞれですが、何かしらの課題や問題点を解消するために退職したのに次の就職先を妥協してしまうのはあまり望ましいとは言えません。
転職活動にじっくり時間をかけることで「なぜ退職しないといけないのか」についても明確にすることができて、結果的に公務員を辞めたあとに後悔をしない選択にすることができます。
公務員から民間への転職を考えている人へ
ここまで公務員を辞めたいと思う要因、いきなり退職しない方がいい理由について解説してきました。
現時点で公務員から民間への転職を考えている人にはぜひやっていただきたいことがあります。
ほんとうに公務員を辞めないといけないのか?
この問いにはっきり答えられるようにすることです。
どのような仕事に就いたとしてもある程度の不満は出ます。ただしそれが自分の人生を退屈なものにさせたり、自分の信念と大きくかけ離れてしまっていれば、人生の幸福度は低くなってしまいます。
必ずやって欲しいこと
「ほんとうに公務員を辞めないといけないのか」という問いを自分にしてみること
辞めた場合と辞めなかった場合にどうなるのかをそれぞれ考えてみてください。
公務員を辞めて得られるもの、失うものを整理することで判断しやすくなります。
辞めた場合、辞めなかった場合のそれぞれ比較して
辞める方が自分の将来にとってベストと判断できた時だけ転職活動を始めてみても遅くはありません。
ポイント
公務員を辞めた場合と辞めなかった場合のそれぞれを考えてみる
もし迷ったり、判断をするのが難しかった場合は
価値観✖️得意なこと✖️将来性
この3つの軸で自己分析をしてみて欲しいです。
特に自分はどんな価値観を持っているのかがわからないと転職活動が上手くいかなくなるだけでなく人生の幸福度にも影響してきます。なのでここはしっかり分析していきましょう。
私自身もこの3つの軸を使って公務員を退職することを客観的に決断することができました。
客観的に判断するポイント
価値観✖️得意なこと✖️将来性 この3つの軸で自己分析をする
ちなみに将来性というのは
☑️ 自分が仕事を続けていくと将来的にどんな人材になっているのか
☑️ 労働市場ではどのような人材が求められていくのか
自分軸と市場の軸の2つから見ていくことが大切です。
自分軸では、その仕事を続けていくとどんなスキルと経験が得られて、それがどんなキャリアに繋がっていくのかの見通しを立てます。
市場の軸は、労働市場でどのようなスキルや経験を持った人材が求められているのか、すなわち需要があるのかを考えます。
将来のキャリアや自己分析などについてもっと知りたいという方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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公務員を退職することを決断した人の悩みで多いのが
公務員を辞めたあと、どんな職業に就いてキャリアを作っていけばいいんだろう?
公務員を退職したあとにやりたいことが明確であれば良いのですが、自分が何をしたら良いのかがわからないというのはけっこうありますよね。
わたしのブログでもいくつかおすすめ職種を紹介してありますので検討してみてください。もし未経験からWebマーケターを目指したいという方であれば参考になる記事がありますので一緒に貼っておきます。
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